天気管(てんきかん)について
日本語別名:嵐の壜(あらしのびん)、風雨計(ふううけい)、測候器(そっこうき)
英語名:Weather Glass,Weather Bottle,
Storm Glass,Storm Bottle,
Camphor Glass,Camphor Bottle,
Fitzroy's barometer
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| 英国ラッセル社製 Storm Bottle | 英国バロメーターワールド製 Weather Glass |
樟脳、エタノール等を主成分とした液体をガラス管に完全密封した物で、中に出来る樟脳結晶の状態により、天気を予知出来るといわれています。ガラス管の液体に樟脳結晶が見られない、または少ない場合は天気は晴れ、もし液体に樟脳結晶の沈殿が多くあったら、天候が悪くなると言われています。
しかし、天候によって結晶が変化するという仕組みは未だ化学的に解明されていません。
天気管の歴史に関しましては、雑貨屋パームさんのサイトに詳しく紹介されています。
是非ご覧になってみてください。
http://www.palm-tokyo.com/weather/index.htm
天気管は通常、Fitzroy's barometer と呼ばれる Barometer Set に組み込まれて、販売されているケースが多いようです。
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| 英国バロメータワールド社製 Admiral Fitzroy Mercury barometer |
英国ラッセル社製 Admiral Fitzroy barometer |
これは、雑貨屋パームさんのページにもあるように、英国気象局の初代局長ロバート・フィッツロイ提督が、英国内の海難事故防止のために、天気管と温度計と気圧計をセットにした物を作り、国内の漁協や海運事務所に配布したことから端を発しているようです。
ロバート・フィッツロイ提督は、あの進化論のダーウィンも乗船したというビーグル号の船長としても有名です。このビーグル号に搭載された各種計測器の中にも、天気管があったと言われています。
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| ロバート・フィッツロイ (1805-1865) |
ビーグル号見取り図 全長27メートル程の小さい船だった。 |
天気管の発祥の地はオランダではないか?との説が有力です。
オランダの家庭薬に「樟脳アルコール」があるそうで、アルコールに樟脳を溶かしたものを痛み止めに使用していたのだそうです。その薬壜の中の結晶が、天候により変化することを誰かが発見し、天気予報機としたのが始まりではないかとの説があります。
天気管は江戸時代に長崎の出島を通じて日本にも伝来していたようです。
この天気管が北前船の寄港地に伝えられ、現在では北海道江差町にて、3本もの天気管が発見されるに至っています。
ちなみに、アルコールに樟脳を溶かし、そこに紅花を加えた痛み止め薬が長崎に代々伝わっているそうです。オランダから伝わった薬に、北前船で運ばれてきたであろう紅花がここでも出会っているようで、なんだか面白いエピソードですね。
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| 北海道江差町にて発見された天気管。 (江差町教育委員会のご協力により写真を公開) |
この天気管の内容液の成分は製造各社で異なっているとは思いますが、成分の一例と作成法です。
| A液 | B液 | ||
| 硝酸カリウム | 2.5g | 樟脳 | 10.0g |
| 塩化アンモニウム | 2.5g | エタノール | 40ml |
| 蒸留水 | 33ml | ||
上記の分量で、最初にA液、B液をそれぞれ作成し、それを混ぜ合わせてガラス管に密閉して作成するのだそうです。
内容液の成分とともに、天気管の英語名称も各社で異なる場合が多いです。
実は、「天気管」という日本語名も、後述でご紹介いたしますテレビ番組の中で名づけられた物で、正式名称は存在しないのかもしれません。
また、Weather Glass,Storm Glass の名で下の写真のような器具も販売されています。
形状から判断するに、細くなっている部分の水位変化で気圧を測定し、天候を覗う物のようです。
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| ドイツ Torka社製 Weather Glass |
米国 Wind & Weather 社製 Tabletop Weather Glass |
こちらの商品も、大変魅力的ですが、樟脳結晶で天気を予報する「天気管」とは異なります。海外から、直接ご購入の際は間違えないように注意しましょう。
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天気管に関する研究資料等をまとめておきます。
国内のものであれば、神戸商船大学の図書館に天気管の研究論文があります。
天気管に関する資料と試作天気管による実験観測報告 (I)
( A Study on a Storm Glass (I) )
中本 泰任 / 廣井 正男
( Nakamoto Yasunori / Hiroi Masao )
それと、このサイトの中にも出てきますが、天気管のルーツを追ったTV番組が過去に放映されたことがあります。
私も、この番組で「天気管」の存在を初めて知りました。
番組タイトルは、
「TVムック 謎学の旅 驚異の天気予報機の謎」
放送日は、1988年2月26日と3月4日の2回に分けて日本テレビ系列で放送された物です。
30分番組で2回に分かれているので、計60分です。
なかなか詳しく天気管の謎を追求しています。
あと、海外のサイトでは、
http://chemistry.about.com/library/weekly/aa072301a.htm?terms=Fitzroy%27s+Storm+Glass+
http://www.pmicro.kz/~ufl/ALMANACH/N1_96/StormGlass.htm
等のサイトに詳しく研究されている情報が掲載されています。